
これまで人材系をはじめとするいくつかの業種で個人、法人を問わず、10年以上営業をやってきましたが、多い時で1年で94件新規契約を獲得しました。顧客の業種は多岐に渡ります。
当時の勤務先の社内記録を更新し、転職後の他業種でも新規契約については一定の成果を挙げる事ができました。
後輩や部下に同じやり方を試してもらっても一定の再現性と学びが得られた為、現職でも営業する際は売上含む複数指標で社内NO.1の実績を取る事が出来ています。
顧客との信頼関係、関係性構築についての学びが非常に多かった為、この時の経験を境に、新規営業を楽しんでやれるようになりました。
新人時代は特に優秀ではなく、色々なミスをして、上司に色々迷惑をかけたタイプでしたので、失敗するケースや、営業がうまくいかなくて悩む心情はある程度理解できると思います。
後輩や部下にも自分の新人時代の失敗を踏まえて「誰でも理解できる、真似できるやり方」で伝えています。
当記事で紹介している営業アプローチ手法は、業種が変わっても一定の再現性が出せたので参考にできかと思います。
もちろん業務により多少の修正・調整は必要だとは思いますが、ここでひとまず整理して記録しておきたいと思います。
営業初心者の方は勿論、営業の部下に悩んでいる教育担当や管理職の方にはおすすめです。悩んでいる方のお役に立てれば幸いです。
以下、記事の流れを大まかに説明します。
【1】基本準備編
【2】営業アプローチ手法編
【3】実践編
この方法論は主に 「電話」「訪問」「手紙」を使います。
特に一番よく使うのは電話です。
経営者へのトップアプローチも必要に応じ行いますが、ここでは原則、中間管理職などの決済権者を対象とする営業方法を中心に紹介します。
営業の事前準備や、考え方としての営業マインドが成果を出す上では重要なので、土台部分として先にご説明します。
では、順を追って説明します。
【1】基本準備編
①売上目標を設定
数字は大体でもいいので目標を書いてみましょう。会社での目標をそのまま書いてもOKです。四半期目標、月間目標、週間目標を入力しましょう。
②行動量を決定
目標の達成に必要な行動量を概算します。
<売上の内訳>
売上=平均単価×件数
=平均単価×(行動量×有効接触率×商談成約率)
行動量の具体例は以下の通りです。
①1日の行動量…1日80件(訪問、電話、メールの合計)
②有効接触数 …サービスについて決済者と話ができた数(30%程度目安)。
③商談数 …(有効接触数の20%以上目安)
商談が多いと接触量が減る傾向にありますので、量の担保を継続するのが重要です。担当者の在席時間や普段の業務を把握しておく事が接触率UPにつながります。
顧客をよく調べて理解し、課題を聞き出せると提案ネタも増えます。自身の商品サービスで相手の悩み・課題を解決できる切り口を探しましょう。
月間行動量の概算…(フルで動ける日を月15日で計算) 月間行動量1200件、有効接触360件、商談数72件 ※商談は電話.メールもok 商談成約率が30%の場合、成約22件 月20日で割ると 1日あたり: 行動量60件/接触数18件/商談数3.6件 この水準はそれぞれ割らないよう動きます。
行動量の内訳は自身の環境に応じて実現できる数値を決めて下さい。
行動可能時間が多くある場合はより多くの行動量を確保します。
商談成約率をUPできれば数字は、より多く上がります。
営業には既存客対応に時間をとられやすい為、上記の場合だと22件の成約中、新規の割合をどれ位作れるかという事が重要になります。
既存客の対応業務の割合は人により異なるので、新規を数多く取ろうと思うと上記のような全体数の中でどれだけ効率的に新規顧客を獲得できるかがキモです。
※重要ポイント
1. 既存顧客を効率的に対応する。(十分な時間を作る) 2. 新規顧客の案内・説明・説得を効率的に対応する(効率的開拓)
③いつでもすぐにサービス説明ができるよう準備・整理を行う。
資料出しと説明がすぐにできる状態になっておく事は仕事の基本であると同時に非常に重要な要素です。自社の商品サービスについては何を聞かれてもすぐに回答できるか、不明点があってもすぐ確認できるよう普段から練習をしておきましょう。
「自分が利用客だったら質問する事」を全て答えられるかどうか が、この準備が完了しているのを判断する1つのポイントになります。
【2】営業アプローチ手法編
新規契約獲得でのポイントは大きく分けて3つです。
①信頼関係の構築 ② 顧客が検討したくなる情報を資料を作って渡す事 ③ 説明と説得をスピーディに無駄なく行える事
①信頼関係の構築が一番大事
説明が上手、身なりや説明がスマート、説明に説得力がある、何かあっても誠実に対応してもらえる姿勢があると期待感・安心感が持て、最初の一歩を踏み出しやすくなります。
②顧客が検討したくなる情報を資料を作って渡す事
具体的で最も使いやすく早期に効果が出やすいです。事実情報を提供する事でお客様は判断しやすくなります。
・成功事例を見せる。例えば、情報保護処理をした他社の事例を複数提示します。私は業種毎に作ってよく渡していました。
・成功事例がなければ利用事例を提示する。 成果は公表できないが、こんな形で利用されていますという事例紹介。この場合は情報保護処理は必須ではありません。(非公開情報の場合は別)
販促資料 例1.xlsx12784 Bytesファイルダウンロードについて ダウンロード
これは広告の掲載事例の例ですが、これを業種別に作ったり、職種別に作って説明すると、広告で成果が出ていない顧客は成約が取りやすいです。
沢山契約が取れた時の手法はこれが大半を占めていました。競合他社の利用状況などを踏まえてヒアリングをしながら提案をしてきましょう。
広告事例がない場合:可能であれば、「タダで取材しますので無料テストで原稿作ってみませんか?」という提案で、相手がYESというだけの状態に持っていくのも1つの手です。この手段はコストがかかる為、もう一押しという状況で使うのが望ましいでしょう。勿論、「作成案」なので修正が前提です。
資料を渡す場合は以下のような形で渡します。
・担当者と会話 「◯◯のご利用状況についてはいかがでしょうか?今後参考にして頂ければと思い、弊社の利用事例で効果が良いものの資料をお持ちさせて頂きました。良ければご参考下さい。」
・忙しい担当者と会話 「◯◯のご利用状況についてお伺いできればと思っておりましたが、ご多用中との事ですので資料をお持ちしました。お手隙の際にご査収下さい。」
※不在時であれば事務/受付の方にこう言って渡します。 「◎◎様が◯◯の件で情報を探しておられましたのでお渡しする様に約束しておりました、お渡しいただくようお願いします」
・人材紹介などでもタイプ別事例の提示が効果的
(説得用のトークでもOKです)候補者の説得はもちろん、企業担当者の開拓にも同じ様に使えます。
・キャリアアップ型の転職(20〜30代) ・未経験チャレンジの転職(20〜30代前半) ・結婚後のワークライフバランスを考えた転職(20~40代) ・育児休暇後の復職用の転職(20代後半〜40代) ・ミドル層の年齢になってからの転職(40歳以上〜)
×(かける)
・業種毎の転職事例 ・職種毎の転職事例 ・性別毎の転職事例(志向、ライフステージに合わせて)
これだけでざっくり15タイプあります。これも広告の事例同様、
・成功事例(この様な形で転職して内定がでて活躍している)
・利用事例(この様な方針で転職活動をしている方がいる)
と両方分けて提案すれば、候補者(企業)に寄り添った提案ができるため、すんなり話が通りやすいです。こちらでも企業情報と個人情報保護を徹底します。
・マイナスの話をするのも時に効果的
「この様な形の転職をして失敗している人が沢山います」(だからこういう形での転職を検討するのは辞めようね)
「こんな働き方をしていると健康に悪いので辞めましょう」「この状況を放置して実際に◯◯になって◯◯した方がいました。●●様には現状でいうとその危険性があると感じます。いますぐ改善した方がいいです」
情報が具体的である程、より信頼性が高まり、他と差別化できます。 事例情報や警告情報を整理できている営業担当は少ないからです。 事例のパワーを理解している人のみがこの辺をテコ入れしています。
時々転職サイトの転職者ストーリーに掲載されているような事例が作成できる事もありますが、これは広告作れれば良い販促資料になります。満足いただけた時は、お客様にご依頼し、全力で事例作りに励みましょう。
・ホームページの集客や、集客広告にも応用が効く
やればやるほど表現のノウハウもたまりますし、営業の裾野も広がります。 1人でやるよりも複数人で組んで事例集めする方が、成果事例も掲載事例も 集まるスピードがより短い時間で増えます。
もちろん利用頂いた取引先の許可をもらって、企業特定できる情報はぼかしや修正で解らなくします。
満足度が高かった利用顧客全員に事例掲載のお願いを必ず行い、いかにその数を増やせるかが先々のあなたの強みを更に強くできるかどうかだと思います。
③説明と説得をスピーディに無駄なく行える事
これはある意味営業の基本でもありますが、コンパクトに話をまとめることが重要です。新規顧客はサービスについて理解しておらず、個人的な感覚で話をされる方がどうしても増えがちなので、商談に時間がかかるケースが多いです。
いつでもすぐに資料を開いて順序よく効率的に説明ができるよう、普段から商品サービスの知識と説明する順番を整理しておきましょう。
私が以前所属した営業部署でレジェンドと呼ばれていた女性営業さんは、10年以上成績トップとの事でしたが、いつでも2秒で説明が始められる様、資料と情報を整理していました。私も大いに参考にさせてもらったものです。
営業準備をしっかりしていれば、商品サービス説明の時によく出る質問も知り尽くし、整理できる為、よくある質問も正しい回答は確認しておきましょう。
ここに時間がかからない事が、次の活動時間を生む大事な工夫です。
他:顧客のサービスを実際に利用する
この手法は個人事業主、小規模事業者が相手の場合に使いやすいです。飲食店、小売店など。法人相手にやる場合はあれば消費者の立場から満足度や課題を提示し、業務改善の立場でトップアプローチを含む提案をする等の方が、説得力があり取引のチャンスも見込めます。
いかがでしたでしょうか?かなり広範囲に応用が効く内容になりますので、参考になれば幸いです。ここから更に細かいアポ取りの部分などを追記していきたいと思いますので、購入者の方はコメント・要望頂ければ可能な範囲で追記・回答していきます。
宜しくお願いします。